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     沖縄県精神薄弱養護学校PTA連合会結成趣意書

                                          結成準備会
 精神薄弱養護学校が沖縄県に産声をあげたのが昭和40年の4月、大平養護学校であります。そ
 の後、昭和47年美咲養護学校、昭和51年名護養護学校、昭和52年宮古養護学校、昭和54年八
 重山養護学校と島尻養護学校、昭和55年名護養護学校金武分校、そして昭和63年西崎養護学校
 の開校と23年間8校の精神薄弱養護学校が開校し、今年4月には沖縄高等養護学校の開校と精
 神薄弱児のニーズに応えて教育環境が整えられて来ました。また、各学校に於ける教育活動も活
 発に実践され、成果をあげているところであります。

  学校が開校と殆ど同時にPTA会を組織して開始しておりますが、同じ障害を持つ子どもの教
 育を行う県内の学校は共通した課題を抱え、また、親も同じような悩みを持っている事をあらゆ
 る機会に感じるのであります。

  教育研究活動としては、沖縄県に養護学校が開校したその年に沖縄県精神薄弱教育研究会を結
 成して翌年の昭和41年に第1回大会を開催、以来19回の大会を持ち研究を深めているところで
 あります。また、本土復帰までの約10年間、教育研究集会においても特殊教育全般にわたって
 研究が深められてきました。
  一方保護者側では「沖縄県精神薄弱児(者)育成会」を中心とした諸行事や活動を通して親同
 士のつながりが持たれていました。学校と親をつなぐ県全体的な場は、教育福祉振興大会(前、
 教育・福祉・労働・医療の4団体協議会)の場でありました。しかし、このよう機会さえも諸般
 の事情により、困耕な状況になっております。
  精神薄弱養護学校が開設後25年の歳月がたちましたが、盲学校や聾学校、肢体不自由児の学
 校のような長い歴史がなく、しかも学校が徐徐に開校されたせいか関心が薄く、また、気づく方
 も少なかったようであります。

  全国精神薄弱養護学校PTA連合会の会長あいさつの中で、次のように述べておられます。
 ・・・「すでにちえ遅れの子を持つ親の会があるのに、なぜ養護学校のPTA連合会が必要なの
 か」という事でした。数回にわたる話し合いの結果、育成会は「ゆりかごから墓場まで」の地域
 活動を主として存在し、PTAは学校在学中の細かい要望や、国への請願・陳情活動を主とし両
 方がそれぞれの目的を生かした活動を分担し合う事で、一致をみて発足したという事です」。
  まさに沖縄県の養護学校のPTAの歴史を語っているように思えます。全国統一組織である「全
 国精神薄弱養護学校PTA連合会が結成され、各単位PTAが会員となり会費を納入しています。
 九州各県に於いても昭和60年から福岡県、熊本県が軸になって準備が進められ、昭和63年には
 「九州地区精神薄弱養護学校PTA連合会」も発足しました。その間、沖縄県の各養護学校への
 勧誘もあったのですが、結成の機会がなく現在に至っております。

  精神薄弱養護学校長会では、2年前からなんとかして県の連合会の組織をつくり、互いに連携
 を密にし、九州各県や全国との連携を深めていきたいと考えていました。
  各単位PTAも同じ思いであり、互いに連絡をとり親睦を図り、情報を交換し協力しあってち
 え遅れの子どもの健全な成長を図り、幸福を実現するために、長所を学び短所を改善していくこ
 とをねらい、また、同じ目的をもと沖縄県PTA連合会、高等学校PTA連合会や各地区PTA
 連合会とも連携を図ることにより、広く社会の人々への啓発が叶えられるものとの願いをこめて
 この会を結成する事に致しました。

  つきましては、その趣旨をお汲み取りの上、会結成にご賛同下されば幸甚に存じます。各位の
 ご協力をお願い致します。

                                    平成3年2月10日