祝 辞
沖縄県特殊教育諸学校長会
会長 伊江朝勇
平成3年に結成された沖縄県知的障害養護学杖PTA連合会(沖知P連)結成10周年
に当たり、お祝いのことばを申し上げます。
沖知P連は、結成以来、「知的障害養護学校の充実発展を促進し、会員相互の協調を図
ることを目的とする。」を掲げて、各単位PTA活動への協力や研修、会員相互の親睦及
び要請活動等、10周年の実績は目を見張るものがあります。
沖知P連のスポーツ交流会は、軌道に乗り、各単位PTA同志の親睦や力強い連携につ
ながり、講演会等の開催で養育の在り方等について真筆に研修を積まれていることも頼も
しい限りであります。また、これまで沖知P連として、教育庁への特殊教育課の設置、特
殊教育諸学校就職促進キャンペーン企業訪問等の継続、幼稚部設置、授産・更生施設の整
備等、知的に障害のある児童生徒が自立し、社会参加できるよう関係当局への数々の要請
活動も徐々に成果をあげてきていることは、本会の歴代会長他会員の皆様の熱意ある活動
の賜物であり、高く評価されています。
ご承知のように、我が国は、教育改革真っただ中、「21世舵の特殊教育の在り方につい
て」の最終報告で、今後の特殊教育の在り方についての基本的な考え方、就学指導の在り
方の改善、特別な教育的支壊を必要とする児童生徒への対応、特殊教育の改善・充実のた
めの条件整備等が提示されました。
本県においても「特殊教育諸学校の編成整備計画の基本方向」等が策定され、特殊教育
諸学校の規模の適性化、障害の重度・重複化などへの取り組み、高等部における職業教育
の充実、地域における特殊教育の支援体制の整備等、10の基本事項が策定されました。
また、平成11・12年度文部省委嘱盲学校、聾学校及び養護学校就業促進に関する調査
研究で、研究主題に「知的障害養護学校における就業促進の在り方に関する調査研究」(就
業促進研究推進役:大平養嘗学校をセンター校として県内知的障害養護学校8校)におい
て卒業生の動向調査で、雇用する際に「身辺処理の自立」、「あいさつ、返事」など生活
上の基本が作業遂行上の基本より重視されていることが解りました。課題として、児童生
徒が自立し、社会参加するための基礎的・基本的事項の指導の徹底、啓発と雇用の場の拡
大に向けた連携活動の強化、福祉就労をめぐる諸課題への取り組み、職業教育の充実、進
路指導(進路学習)の在り方、家庭との連携の在り方等が上げられ、課題は山積しており
ます。
沖知P連としては、結成10周年を迎えられた地道で力強い活動の成果を基盤に、この
ょうな我が国や本県の21世紀の特殊教育の方向性や現実の課題等を大きな立場で見据え
て、知的に障害のある児童生徒一人一人の就学から学校生活、卒業しての自立、社会参加
までの生涯に法る支援体制づくりに各単位PTAとの連携を土台に、医療・保健・教育・
労働・福祉の関係諸機関と連携して取り組まれることが期待されます。
特殊教育諸各学校の各学杖においては、各単位PTAの協力を得て、地域に開かれた特
色ある特殊教育センター校づくりに努めるとともに、特殊教育諸学校長会として、沖知P
連との連携を深め、知的に障害のある児童生徒一人一人が、「生きがい」、「働きがい」を
もてるように、生涯に法る就業・生活支援の体制づくりに邁進することをお誓い申し上げ
て、沖知P結成10周年のお祝いのことばといたします。